軽石

分類 自然 
タイトル 軽石 
サブタイトル ─海底火山からのメッセージ 
著者 加藤祐三 
ページ数 288頁 
判型 四六判・上製 
定価 2,640円(本体2,400円) 
内容 小さな軽石から見える、大きな地球の未知なる部分。
海岸に打ち上げられ、見向きもされない軽石。しかし、そこには海底火山の大噴火、地震、海流などの“雄大な自然史”が刻まれていた。海岸で拾った軽石から始まった海底火山研究30年の集大成。野外観察・実験の手引付き。 
目次 1章 海岸に漂着した軽石
漂着軽石の発見/さまざまな軽石
2章 西表海底火山
突然の軽石浮上/唯一の記録/海面上に飛び上がる軽石─加納船長の報告/報告の解説/明神礁の噴火/噴火状況を打電/西表島で石炭が採れた/噴火で大きな地震はなかった/噴火後の八重山諸島の混乱/明和の津波/八重山での軽石漂着状況/最大軽石の大きさ/軽石漂着の写真/全国に軽石漂着の報告を依頼/沖縄付近での漂流状況/日本列島を包むように漂流/沖縄本島での軽石にまつわる話三題/どれが西表海底火山の軽石か/現在見つかる最大の軽石/国民歌謡 「椰子の実」/磁北と真北/調査船による火山探し/乗船実習
3章 軽石に関わる用語
岩石と鉱物/マグマ/火山ガラス/火成岩の分類
4章 火山ガス
火山ガスの成分/火山ガスの採集・分析法
5章 軽石の性質と判別法
軽石の形成/マグマの粘性と発泡との関係/発泡の程度/軽石の色を決める化学成分/穴の大きさや密度でも色が変わる/軽石をパンと比べると/軽石を分類する方法/軽石のタイプ別化学組成
6章 北海道駒ヶ岳
最北の駒ヶ岳/噴火で津波が発生─1640年山体崩壊/噴火で大量の軽石と火山灰が降下─1929年プリニー式噴火/ 「北海タイムス」 に見る1929年噴火/海に落下した軽石が漂流
7章 福徳岡ノ場
琉球列島の海岸に灰色軽石が次つぎと漂着/軽石の漂着状況/漂着軽石の特徴/灰色軽石の起源探し/福徳岡ノ場での噴火の歴史/福徳岡ノ場火山1986年噴火の様子/軽石漂流と海流との関係/黒潮─世界的に有名な大海流/漂流軽石に付着する生物/漂流軽石の一生
8章 西表島群発地震
群発地震の推移/西表島群発地震の特徴/音が知らせる地震開始/地震の被害/地震は火山性か?/西表島群発地震の成因/津波避難騒ぎ/風評被害/西表効果
9章 遺跡から出てくる軽石
遺跡調査の誘い/浦底遺跡/時代を決める火山灰層/軽石による時代推定/軽石と遺跡の年代/年代測定結果の解釈/BLスコリアはどこから
10章 漂流できなかった変わり種 材木状軽石
材木状軽石の発見/材木状軽石は浮かなかった/材木状軽石の性質/しんかい2000潜航調査に/集中調査で硫化物も発見/材木状軽石の分布と成因

附録 野外観察の手引/室内実験の手引 
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備考 【著者紹介】
加藤祐三(かとう ゆうぞう)
1939年、東京生まれ。琉球大学名誉教授。理学博士。1958年、東北大学大学院理学研究科博士課程修了。同大学理学部助手、琉球大学助教授を経て1990年に同大学教授。1996年から同大学理学部長を兼務(~2000年)。専攻は岩石学。著書に『沖縄の自然を知る』『ニライ・カナイの島じま -沖縄の自然はいま』(共に池原貞雄博士との共編著、築地書館)、『奄美・沖縄岩石・鉱物図鑑』(新星図書出版)ほか


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ISBN978-4-89694-930-8 

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