鐘の本

分類 文化史 
タイトル 鐘の本 
サブタイトル ヨーロッパの音と祈りの民俗誌 
著者 パウル・ザルトーリ[著]吉田孝夫[訳] 
ページ数 465頁 
判型 四六判・上製 
定価 3,520円(本体3,200円) 
内容 中世以来、人と人をつなぐ目に見えない〈絆〉として機能した、古きよきヨーロッパの象徴=鳴りひびく鐘の音と、その音色を作り出す鐘そのものについて、いつごろから、どのように聖俗の生活に浸透したかを、関連する習俗の記録などにたどり、社会史家の阿部謹也氏も高く評価した名著、待望の邦訳。

第一次世界大戦後のドイツにおける大規模な民俗調査をもとにまとめられた、古典的名著の全訳。鋳造過程から教会や日常生活での役割、さらには「悪魔と鐘」などの伝説にいたるまで、技術史・社会史・文化史上も貴重な証言を満載。図版多数。 
目次 (略目次)

Ⅰ 鐘の素材と鋳造をめぐって
Ⅱ 鐘の奉献
Ⅲ 鐘の名前
Ⅳ 聖なる鐘、人に寄り添う鐘
Ⅴ 魔除けの鐘
Ⅵ 豊饒と健康をもたらす鐘
Ⅶ 教会に仕える鐘
1 日常の祈りの鐘
a 朝の鐘/b 昼の鐘/c 夕べの鐘
2 迷いびとの鐘
3 木曜日の鐘、金曜日の鐘
4 日曜日の鐘
5 祝日の鐘
a クリスマス/b 新年/c 枝の主日、聖木曜日、ローマへ旅する鐘/d 聖金曜日 158/e 復活祭/f 昇天祭/g 聖体祭/h 教会開基祭
6 嵐除けの鐘
Ⅷ 鐘と家族
1 誕生、洗礼、堅信礼
2 結婚
3 死
a 葬送の鐘/b 死を予告する鐘/c 万霊節の鐘
Ⅸ 市民生活と鐘
1 災害や火事を知らせる警鐘
2 都市自治体の鐘
3 法の鐘
4 戦争の犠牲となった鐘
Ⅹ 鐘は語る──響きの「聞きなし」
Ⅺ 慣用句のなかの鐘
Ⅻ 鐘の伝説をめぐって
1 地底と水底で鳴る鐘
2 豚が掘り起こす鐘
3 鐘の伝説と関わりの深いその他のモチーフ
原註
西欧における鐘の文化略史──あとがきに代えて 
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備考 【著者】ドイツの民俗学者(1857-1936)。ラインラント=ヴェストファーレン地方の民俗学協会の設立に参加、学界を牽引する顕学として精力的に活動をつづけ、1927年にはミュンスター大学から名誉博士号を授けられている。主著に、今なお版を重ねる、Sitte und Brauch(全3巻、1910-14)がある。

【訳者】吉田孝夫=ドイツ文学者(1968年生まれ)。奈良女子大学教授。『山と妖怪』(八坂書房、日本独文学会賞)など、著訳書多数。

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ISBN978-4-89694-261-3 

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