木が創った国

分類 文化史 
タイトル 木が創った国 
サブタイトル 探訪 日本人と木の文化史 
著者 中嶋尚志 
ページ数 200頁 
判型 四六判・上製 
定価 2,200円(本体2,000円) 
内容 日本人は木と植物で暮らしの文化を創り上げた――世界有数の樹木環境のもと縄文時代に誕生した木の文化は、いかにして日本を代表する文化となったのか?
建築美術の傑作五重塔は誰が創ったのか、襖絵・茶道・華道などの芸術文化も木との共生から発展した……独自の視点で考察する木の国の文化史。巻末に資料年表[日本人が木を植えた歴史]を掲載。 
目次 はじめに
序 章 太古の幸運が生んだ森の国
『日本果物史年表』について/日本の樹木環境は世界一/太古・古代に起きた二度の奇跡 /温暖な四季に恵まれた幸運/朝鮮半島・中国の自然風土/秦・漢時代の大量伐採/世界の古代文明と樹木

第一章 木の国日本はどう誕生したか
縄文時代観をきり替える/縄文時代にはじまった巨木建築/盛んだった日本海交易/縄文の木造技法が中国古代文明と類似/鉄製工具が板を生んだ/「魏志倭人伝」が書いた倭の樹木/「倭人伝」の記述は正しいのか/古代中国の東方神仙思想とは/出雲大社巨大柱根の発見/出雲大社は物見櫓の地に建てられた…/大和王権の苦悩/古代出雲王朝の亡霊

第二章 古代文明開化の槌音が響く
文化とは人が創ったもの/瓦・畳・椅子など/突然出現した巨大寺院/最初の寺院はどのように建てられたか/百済の寺工はヒノキを知っていた…/技術研修についての一考察/寺工はふたりだけだったのか/本尊仏造立の謎と止利仏師/仏教壁画制作はさらに謎/古代文明開化の原動力は渡来人

第三章 木の国の住文化の歩み
快適な竪穴住居は中世まで続いた/高床式倉庫が住居の原形/ヒノキとスギは最優良材/法隆寺伝法堂が最古の貴族住宅/平城京の貴族邸が寝殿造りに発展/浄土世界の現出/寝殿造りから生まれた遣戸/古代・中世人は寒さに強かった/京都御所・桂離宮は夏向きの建物/書院造りの時代/書院造りと茶の湯と数寄屋趣味

終 章 古代の木塔は一級美術品
日本の五重塔は建築美術の傑作/中国に五重塔はなかった/朝鮮半島の木塔は/日本の木塔の美しさ/法隆寺の裳階の怪/薬師寺三重塔、裳階の妙/法隆寺五重塔・金堂の新たな謎/槍鉋と和釘

参考文献
[資料]日本人が木を植えた歴史
おわりに 
PDFパンフレット  
備考 ★著者紹介 中嶋尚志
1944年東京生まれ。出版社・企画編集会社に勤務ののちフリーの編集者・ライターに。おもに歴史・文化・地理関係の書籍の出版に携わる。2012年、東京でのフリー稼業に区切りをつけ、日本の木の文化史研究のため奈良市に転居。木の国の文化をテーマとした著書に『木の国の物語』『木の国の歴史』(ともに里文出版)がある。

★祝!!ユネスコ無形文化遺産登録
西洋は石で住居を造ったが、日本人は木と植物で暮らしの文化を創り上げた―まさしくそれは無形文化遺産!
本書で探訪する「建造物木工・修理」「建具製作」など【伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術】が2020年12月 ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
この「伝統技術」は日本独自のもので、飛鳥時代の寺院建造に始まっています。→詳しくは本書第2章「古代文明開化の槌音が響く」ほか。

ISBN978-4-89694-286-6 

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