葛と日本人

分類 植物 
タイトル 葛と日本人 
サブタイトル  
著者 有岡利幸 
ページ数 200頁 
判型 四六判・上製 
定価 2,420円(本体2,200円) 
内容 万葉集に秋の七草と詠われたクズと日本人の付き合いは古く、葛布、葛粉、生薬として利用してきた。一方で、建造物や植林地に繁茂したクズは長年の問題となっている。植物文化史の第一人者が紐解く身近なクズとの関わりの歴史。 
目次 第一章 風にみせる銀色の葉裏 クズの植物誌
 クズの種類と和名/クズの生育/クズの葉/クズの花/クズの豆果と種子/クズの根

第二章 黄葉する葛の葉 万葉の葛と秋の七草
 『万葉集』と万葉の植物/『万葉集』に見える葛の歌/クズの葉の黄変/クズのつるは萬世に絶えじ/かえすがえすの裏見草/クズと秋の七草/秋の七草の生える場所

第三章 葛の網で土蜘蛛を捕らえる 『日本書紀』の葛
 ヒコホホデミの東進/葛の網はどうやって作った?/森林を乾燥から守る葛/土蜘蛛は原住民である

第四章 葛を詠う
 和歌に詠まれた葛のイメージ/民衆歌謡のなかの葛/近代の短歌に詠まれた葛/俳句の葛

第五章 葛の民俗
 葛の方言/葛の家紋/信太の森の葛の葉狐伝説/クズのつるの利用/クズの葉で染める/クズを活ける

第六章 葛布を織る
 葛の古代布/葛布へのあこがれ/葛布に適したつるの刈取りと処理法/葛布の産地

第七章 クズを食べる
 クズの根食のはじまり/江戸時代の飢饉とクズ/クズ根の掘り方/葛粉の作り方/葛粉の産地/葛粉の料理と菓子/『料理物語』の葛料理/時代小説に見る葛料理/新芽と葉と花を食べる/薬としてのクズ

第八章 繁茂するクズ
 繁茂クズ被覆の諸問題/クズはなぜ害草となったのか/林業とクズとの闘い/鉄道に及ぼす影響/河川敷のクズ/太陽光発電を妨げるクズ/造成地に潜むクズ/アメリカに渡ったクズ/中国の黄土地帯を緑に/山地に生えたクズの除去法/家庭でできる根株処理/その他の除去法 
PDFパンフレット  
備考 [著者紹介]
有岡 利幸 (ありおか・としゆき)
1937年、岡山県生まれ。1956〜93年まで、大阪営林局にて、国有林における森林の育成・経営計画業務などに従事。1973〜2003年3月まで近畿大学総務部に勤務。2003年4月〜2009年まで (財)水利科学研究所客員研究員。1993年第38回林業技術賞受賞。 
    
【著書】
『森と人間の生活─箕面山野の歴史』1992(清文社)
『松と日本人』 1993 (人文書院、第47回毎日出版文化賞受賞)
『松茸』1997、 『梅Ⅰ・Ⅱ』1999、 『梅干』2001、『里山Ⅰ・Ⅱ』2004、 『桜Ⅰ・Ⅱ』2007、『秋の七草』『春の七草』2008、 『杉Ⅰ・Ⅱ』2010、『檜』2011、 『桃』2012、 『柳』2013、 『椿』2014、 『欅』2016、 『和紙植物』2018 (以上、ものと人間の文化史 法政大学出版局)
『つばき油の文化史』 2014、『栗の文化史』2017、『香りある樹木と日本人』2018(雄山閣)
『資料 日本植物文化誌』 2005 、『花と樹木と日本人』 2016 、『樹木と名字と日本人』 2018、『縁起のいい樹と日本人』2020、『藤と日本人』2021 (八坂書房)
など多数。

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ISBN978-4-89694-332-0 C0045
 

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