日本の野菜

分類 食文化 
タイトル 日本の野菜 
サブタイトル ─青葉 高 著作選 I─ 
著者 青葉 高著 
ページ数 344頁 
判型 四六・上製 
定価 3,080円(本体2,800円) 
内容 日本の食文化を支える代表的な野菜約80種をとりあげ、その起源、伝播、渡来、栽培、品種、食味等から再考する。新品種育成の陰に滅びゆく野菜を悼み、野菜に秘められた文化財的意義を問い直す野菜文化論。 
目次 第一部 果菜類・ネギ類
1 野菜と文化
 1.文化財としての野菜
 2.作物の起原
 3.野菜の伝播
 4.わが国に渡来後の栽培の変遷
 5.野菜の種類名
 6.野菜の種類と分類

2 果菜類
 1.ナス(茄)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)ナスの色 (3)ナスの品種〈丸茄と長茄/早生茄と晩生茄/一代雑種の利用 (4)ナスの早出し栽培 (5)旬と施設栽培 (6)指宿小茄と温泉熱の農業での利用
 2.トマト (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)トマトの品種〈ポンデローザ/福寿2号〉(3)実験材料としてのトマト (4)トマト栽培に関する最近の研究成果〈ウイルス病と弱毒ウイルス/トマトの新しい整技法〉
 3.トウガラシ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)トウガラシの品種と名称 (3)接木雑種(栄養雑種)
 4.キュウリ(胡瓜)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)キュウリの品種〈雌花と雄花の着き方/単為結果性/華南系品/種と華北系品種/白疣胡瓜/シベリア系品種
 5.マクワウリ、メロン、シロウリ (1)その起原と伝播、およびわが国への渡来 (2)わが国での栽培の変遷 (3)メロンの仲間〈網メロンと冬メロン/マクワウリ/シロウリ/モモルディカ・メロン/甘味と苦味〉(4)雑草メロン
 6.スイカ(西瓜)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)品種の移り変わり〈黒部西瓜/小形西瓜/銀大和と黄大和/タネなし西瓜〉(3)忌地(いやち、連作障害)(4)接木栽培
 7.カボチャ(南瓜)(1)その起原と伝播、およびわが国への渡来 (2)名称の混乱 (3)明治以降の栽培状況の変遷 (4)栽培品種の変遷
 8.ユウガオ (1)その起原と伝播 (2)わが国での品種と栽培状況
 9.トウガン
 10.ヘチマ
 11.ニガウリ(ツルレイシ)
 12.ハヤトウリ(隼人瓜)
 13.枝豆(ダイズ、付─マメモヤシ)(1)ダイズの起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)枝豆としての利用 (3)ダイズの品種 (4)マメモヤシ
 14.インゲンマメ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)名称と品種
 15.ベニバナインゲン
 16.ライマメ
 17.エンドウ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)エンドウの品種とメンデルの実験
 18.ソラマメ
 19.フジマメ
 20.ササゲ
 21.ナタマメ
 22.オランダイチゴ(イチゴ)(1)その起原とわが国への渡来 (2)戦前のイチゴ栽培の状況 (3)戦後のイチゴ栽培の発達 (4)研究の成果と栽培技術の進歩〈花芽形成期の調節/休眠の調節/遅出しの工夫
 23.トウモロコシ(スートコーン)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)名称 (3)種類と品種 (4)一代雑種種実の採種と栽培
 24.ホウキグサ(ホウキギ、トンブリ)
 25.料理ギク(食用ギク)(1)その起原と渡来、およびわが国での栽培状況 (2)品種と食べ方〈阿房宮/袋菊/夏菊〉
 26.オクラ(アメリカネリ)

3 葉菜類─ネギ類
 1.ネギ(葱)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)ネギの品種〈太葱(根深窓)と葉葱、刈葱と分葱〉(3)ネギの代表的な品種〈九条葱/千住葱〉(4)ネギの中の変り者〈下仁田葱/赤葱/坊主知らず葱/ヤグラネギ〉
 2.タマネギ(玉葱)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況〈北海道でのタマネギ栽培/大阪を中心にした栽培〉(2)タマネギの品種と作型 (3)タマネギの仲間
 3.ワケギ(分葱)
 4.ニンニク (1)その起原と伝播、およびわが国への渡来 (2)ニンニクの成分と用途 (3)ニンニクの品種 (4)近年の栽培状況と作型
 5.ラッキョウ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)ラッキョウの品種とエシャロット
 6.ニラ
 7.アサツキ (1)その起原と名称 (2)アサツキの仲間と品種 (3)アサツキの利用法

第二部 葉菜類・根菜類
1 葉菜類
(一)菜類
 1.ツケナ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)ツケナの種類と自生種〈アブラナ群/カブラ群/体菜群/ハクサイ群/如月菜群/雑種群/水菜群/洋種ナタネ群 (3)水菜(京莱)群と水掛莱〈水菜群の特性/わが国での栽培/水掛莱 (4)自生種とその起原〈ヒッチ蕪と弘法菜/島菜/平家菜/菜種島の在来ナタネ/正月蕪/自生種の起原
 2.ハクサイ (1)その起原と伝播、およびわが国への渡来 (2)わが国での栽培の変遷〈ハクサイ栽培の発展/一代雑種採種法と品種/改良/近年の栽培状況
 3.カラシナ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)在来品種と自生種〈カツオ菜と三池高菜/青菜/中国のタカナ類/カラシナの自生種
 4.キャベツ(タマナ、カンラン) (1)その起原と伝播、およびわが国への渡来 (2)わが国でのキャベツ栽培の発展 (3)キャベツの呼び名と用途
 5.カリフラワー、ブロッコリーと芥藍 (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)特性と採種 (3)名称
 6.キャベツの仲間 付ハクラン (1)ケール(緑葉甘藍、羽衣甘藍)(2)コールラビ(球茎甘藍)(3)メキャベツ(子持甘藍)付ハクラン
(二)生菜類と香辛菜類
 1.チシャ (1)その起原と伝播および渡来 (2)わが国での栽培状況 (3)チシャの種類と品種 (4)レタスの採種と品種育成
 2.エンダイブとチコリー (1)エンダイブの起原と伝播、わが国での栽培状況 (2)チコリーの起原と伝播、わが国での栽培状況
 3.セルリー(セロリ)
 4.パセリー
 5.コエンドロ(胡菱)
 6.ハマボウフウ
 7.ミョウガ
 8.ショウガ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)品種、作型と利用の形〈根ショウガ、葉ショウガ、軟化ショウガ〉
 9.ワサビ 付:ワサビダイコン (1)起原およびわが国での栽培状況 (2)産地の成立と栽培状況 (3)ワサビの特性〈付:ワサビダイコン〉
 10.シソ 付:エゴマ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)シソの用途と品種〈付:エゴマ〉
(三)柔菜(軟弱葉菜)
 1.ホウレンソウ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)近年の栽培状況と利用 (3)品種と採種東洋種と西洋種日長反応性と採種ニシュンギク(1)その起原と伝播、およびわが国への渡来(2)名称と地方名(3)近年の栽培状況と品種品種と栽培三フダンソウ四オカヒジキ五ツルムラサキ(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況(2)名称、系統と利用法大スイゼンジナ七アシタバ(1)起原およびわが国での栽培状況(2)特性と用途八ヒユ
(四)軟化菜類
 1.ウド (1)起原およびわが国での栽培状況 (2)軟化栽培と休眠〈軟化栽培/品種〉
 2.アスパラカス (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)アスパラガス栽培の特異点〈収穫年限と栽培法/雌雄性〉
 3.タケノコ (1)タケの仲間 (2)わが国への渡来とわが国での栽培状況
 4.フキ (1)起原およびわが国での栽培状況 (2)フキの品種〈愛知早生/秋田大蕗/風徐け栽培と接触形態/形成〉
 5.ミツバ
 6.セリ

2 根菜類
(一)直根類
 1.ダイコン(1)その起原と伝播(2)わが国での栽培状況切干大根近年の栽培状況 (3)ダイコンの品種〈宮重大根/練馬大根/守口大根〉(4)野大根と浜大根
 2.カブ(カブラ)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)カブの品種〈主な品種/温海蕪に関する古文書〉(3)カブの焼畑栽培とカブラライン〈カブの焼畑栽培/カブラライン〉
 3.ニンジン (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)品種の移り変り
 4.ゴボウ (1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)ゴボウの品種と変り物〈大浦牛蒡/堀川牛蒡/越前白茎白花牛蒡 (3)薊葉ゴボウの系譜〈付:ヤマゴボウ(モリアザミ、ゴボウアザミ)
 5.テーブルビート(火焔菜)
 6.ルタバガ(仙台蕪、スウェーデンカブ)(二)芋類
 1.ジャガイモ(バレイショ)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)名称、品種と栽培法〈名称/男爵薯/メイ・クイン/農林1号/栽培と利用〉
 2.サツマイモ(カンショ)(1)その起原と伝播、およびわが国での栽培状況 (2)名称、品種と栽培法〈品種特性と栽培法〉
 3.サトイモ (1)その起原と伝播、およびわが国への渡来 (2)サトイモと習俗 (3)わが国での栽培状況 (4)サトイモの品種 (5)田芋と水芋〈沖縄県の田芋/沖縄以外での山芋栽培/山形県の柄取芋/自生の水芋/石芋伝説
 4.ナガイモ (1)その起原と名称〈名称の混乱/原産地と伝播〉(2)ナガイモの栽培と用途
 5.ハス(蓮根)(1)その起原と伝播、およびわが国への渡来 (2)わが国での栽培状況 (3)ハスの品種と栽培法
 6.クワイとクログワイ
 7.ユリネ
 8.チョロギ 
PDFパンフレット  
備考 【著者紹介】

青葉 高(あおばたかし)
1916年埼玉県生まれ。1937年千葉高等園芸学校卒業。1964年山形大学農学部教授。1976年千葉大学園芸学部教授。1982年退官。1989年勲三等旭日中授章。
農学博士。専攻:蔬菜園芸学。
1999年1月死去。
主な著書:『北国の野菜風土誌』東北出版企画 1976、『野菜一在来品種の系譜』(ものと人間の文化史43)法政大学出版局 1981、『日本の野菜一果菜類・ネギ類』(植物と文化双書)八坂書房 1982、『日本の野菜一葉菜類・根菜類』(植物と文化双書)八坂書房 1983(上記2冊合本『日本の野菜〈青葉 高 著作選1〉』)、『菜果春秋一野菜・果物』(食の昭和史5)日本経済評論社 1988(共著)、『野菜の博物学』(ブルーバックス)講談社 1989、『野菜の日本史〈青葉 高 著作選2〉』八坂書房 1991、『野菜の博物誌〈青葉 高 著作選3〉』八坂書房 2000

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ISBN978-4-89694-456-3 

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